ロナルド・レーガン(4)

國分秀星 Q.H.P.


『ロナルド・レーガン』、 『ロナルド・レーガン(2)』、 『ロナルド・レーガン(3)』 の続きです。 著作権はフォル事務所にありますので、転載・引用の際はご一報ください。

1980年の大統領選におけるレーガンとカーターの公開討論会はジョーン・キグリーによって開始時刻が選ばれた。 主題から外れるが、カーターに触れたついでにそれを見てみよう。

公開討論会:1980年10月28日/オハイオ州クリーブランド
公開討論会:1980年10月28日/オハイオ州クリーブランド

キグリー女史は、カーターに軽率な発言をさせるために、出生の月(さそり13度)、天王星(うお18度)、冥王星(かに13度)のグランドトラインを刺激するように月とアセンダントの位置を決めたという。 天王星は水星(おとめ21度)とオポジションで、『よく考える前に不注意にものを言う』ことも理由としてあげている。(*)

この考え方が正しいとすれば、レーガンの出生にある月(おうし13度)と木星(さそり13度)のオポジションも刺激されるから、解決しなければならない問題について座視するような発言をしかねない。 それに月は1時間30分の討論会の間、かに17度38分までしか動かず、カーターの水星には届かない。 もしこれを有効とするなら、レーガンの水星(やぎ21度)と天王星(26度)のコンジャンクションも影響を受けるはずだ。 したがって、キグリー女史の論理では、カーターだけでなくレーガンも無傷ではいられないことになる。

相殺された分を除外すると、このチャートで刺激されたカーター出生の月は第10ハウスルーラーであるため、むしろカーターに有利となっている。 それにもかかわらずレーガンが当選したのは、『ロナルド・レーガン(3)』で見たように、それが必然だったからである。 『普通の占星術師はその時間は絶対に選ばなかっただろう』とキグリー女史は述べているが、ごく普通に午前11時あたりを選ぶのが順当だったと思う。

さて、二度目の大会合はレーガンが就任した後の3月4日に起きている。

大会合:1981年3月4日
大会合:1981年3月4日

大会合がMCにオポジションになってはいるが、第10ハウスルーラー火星、第8ハウスルーラー土星、第12ハウスルーラー水星の間には何ら関連がない。 また、出生、ソーラーリターン、就任時のチャートもこの大会合からアフリクトされていないから、この大会合によってレーガンが、暗殺されることはないということになる。 3月30日の事件が未遂に終わったのは、ここにも原因があるだろう。

三度目の大会合は暗殺未遂事件の後、7月24日に起きた。

大会合:1981年7月24日
大会合:1981年7月24日

土星は第10ハウスルーラー、木星は第8ハウスと第12ハウスのルーラーで、両者に対して火星がスクエアでかなり危険に見える。 しかし既に3月30日に暗殺未遂事件は起きているし、レーガンのソーラーリターンにも二度も危難に遭うという表示はないから、この大会合によって再び暗殺されるようなことはない。 とは言え、明瞭に大統領に関わるイベントが表示されているので、何かしら起きるはずである。 レーガンの出生と重ねてみよう。

内側:レーガン出生、外側:1981年7月24日大会合
内側:レーガン出生、外側:1981年7月24日大会合

出生第1ハウスの火星に対して大会合の火星がオポジション、大会合がスクエア、大会合の月は出生第8ハウスのカスプに対してスクエア。 アセンダントとアセンダントルーラーはアフリクトされていないので、生命が脅かされることはないが、第1ハウス中の火星がアフリクトされて、第8ハウスに関連することから手術が予想される。

レーガンはこの大会合の後、就任中の1985年7月に大腸ガン、1987年1月に前立腺ガンの手術を受けている。 この場合、第8ハウスは死ではなく手術、第12ハウスは隠れた敵ではなく病院、火星は銃弾ではなくやはり手術を意味するということになる。(*2)

内側から、レーガン出生、1985年ソーラーリターン、1986年ソーラーリターン、1981年7月24日大会合
内側から、レーガン出生、1985年ソーラーリターン、1986年ソーラーリターン、1981年7月24日大会合

1985年のソーラーリターンはアングルが出生とほぼ同じになった。 アセンダントルーラー木星は第8ハウスカスプにオポジション、第8ハウスルーラー月は出生の月に対してスクエア、ソーラーリターンの火星は出生の火星にスクエアなどのように第8ハウスと火星が強調されている。 さらに大会合の火星はソーラーリターンの火星にスクエア、出生の火星にオポジションでTスクエアになっている。

翌年のソーラーリターンではアセンダントルーラー火星が第8ハウスにあり、この火星は出生の第12ハウスカスプにコンジャンクション、第8ハウスと第12ハウスのルーラー木星が火星にスクエア、出生のアセンダントにセクスタイルで手術と入院が表示されている。 ソーラーリターンの海王星に対して大会合がスクエア、大会合の火星がオポジションになった。 海王星自体には意味がないのだが、月(出生では第8ハウスルーラー)が海王星とコンジャンクションのため、ソーラーリターンの月に大会合の火星の影響が間接的におよぶ。 暗殺と手術・入院が紛らわしい上にクロスアスペクトでのコレクションオブライトという複雑なコンビネーションである。

つづく

2011年4月

* What Does Joan Say?: My Seven Years As White House Astrologer to Nancy and Ronald Reagan (Birch Lane Press 1990) pp.61-65

*2 1985年7月の手術は、医師が10日に執刀しようとしていたのをジョーン・キグリーのアドバイスによって13日正午に変更された。(同書p.84)
キグリー女史の技法は、公開討論会とこの手術のタイミングを見る限り、その瞬間における天体間のアスペクトと出生天体へのトランジットのみ考慮していることがわかる。

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