ロナルド・レーガン(2)

國分秀星 Q.H.P.


『ロナルド・レーガン』の続きです。 著作権はフォル事務所にありますので、転載・引用の際はご一報ください。

レーガンが大統領に就任したときの天体の配置を見てみよう。

レーガン 就任1期目
レーガン 就任1期目

アセンダントルーラー金星に対して木星がスクエアで、どちらもバイオレントサインにある。 このチャートにおいて木星は第8ハウスと第12ハウスのルーラーであり、ビンデミアトリクスとコンジャンクト。 『ロナルド・レーガン』で検討したソーラーリターンでも木星は第12ハウスルーラーでビンデミアトリクスとコンジャンクトであり、暗殺の表示が強調されている。

ところが、これだけ暗殺が表示されているのに、就任時の天体は出生時の天体とあまり強い関わりを持っていないのである。

内側:レーガン出生、外側:就任1期目
内側:レーガン出生、外側:就任1期目

暗殺に影響しそうなのは、就任時の水星が出生のアセンダントルーラー木星にスクエアであるのと、就任時の火星が出生の太陽にコンジャンクションであるくらいだろう。 これまでに見てきた他の大統領の場合、第8ハウスや第12ハウスのルーラーやテナントが出生時の天体・アングルと関わっていたが、レーガンの場合はそれがない。

ジョーン・キグリーがナンシー・レーガンの顧問となって以降、レーガン大統領の『すべての記者会見、ほとんどの声明、一般教書演説、エアフォースワンの離着陸のタイミング』は占星術によって選ばれた。(*) 就任2期目の宣誓のタイミングもキグリー女史によって選ばれているので、それを見てみよう。

レーガン 就任2期目
レーガン 就任2期目

合衆国憲法により、大統領の任期は1月20日正午に満了し、後任者は就任に先だって宣誓をおこなうことになっているので、日にちは変えられないし、時間も多少の前後は容認されるとしても正午に近いものでなくてはならない。 イレクションの余地はほとんどない厳しい制約だが、キグリー女史は秒の単位まで時刻を選んでいる。 そこまで厳密に時刻を選ぶのは何かに合わせてアングルを決めるためであるのが普通だが、このチャートにはその形跡が見られない。 “What Does Joan Say?”に、『3つの惑星間の好ましくない関係を精いっぱい良く配置した』(*2)とあるので、この場合は天体のハウス位置を決めるためだったと思われる。

『好ましくない関係』をもつ3惑星とはどれか、キグリー女史は具体的に述べていないが、このチャートを見れば、アセンダントルーラー金星と火星のコンジャンクションに天王星がスクエアであるのを指しているとわかる。 おそらく天王星が目立つアンギュラーハウスにあるのを嫌ってサクシーデントハウスに置き、なおかつ月が第10ハウス中、MCに近いところに来るようにしたのだろう。(*3)

キグリー女史は、これが非凡なチャートであり、最も幸運な木星が大統領を表すハウスにあり、太陽と月が大統領の役割を強調していると述べている。 しかし、太陽はともかく、月と木星のコンジャンクションが第10ハウス中のバイオレントサインにあるのは危険である。 木星が第8ハウスと第12ハウスのルーラーだからだ。 (『エイブラハム・リンカーン(2)』参照)

とは言え実際には暗殺は起きなかった。 これはキグリー女史が選んだタイミングが良かったからではなく、任期2期目の宣誓であり、それより以前からすでに大統領だったからである。 ネイタルで言えば、出生後にどのようなイレクションをおこなっても、そのタイミングが新しい出生チャートになり得ないのと同じで、任期が連続する場合は最初のタイミング以外はほとんど意味がない。

もしイレクションをするなら、月と木星が第9ハウス側に来るようにし、なおかつ第12ハウスカスプがおひつじにならないタイミングを選ぶべきだったろう。 (第12ハウスがおひつじになると第12ハウスルーラー火星がアセンダントルーラー金星とコンジャンクションとなってしまう。)

つづく

2011年1月

* What Does Joan Say?: My Seven Years As White House Astrologer to Nancy and Ronald Reagan (Birch Lane Press 1990) p.12
*2 同書p.95
*3 ジョーン・キグリーはプラシーダスハウスを使うようで、“What Does Joan Say?”に掲載されているチャートは第8ハウスのカスプが11度31分になっている。 (せっかく時刻を細かく決めたのに、緯度経度が大ざっぱでアセンダントが2分ずれているのが残念だが…)

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