ロナルド・レーガン

國分秀星 Q.H.P.


米国第40代大統領レーガン暗殺未遂についての考察です。 著作権はフォル事務所にありますので、転載・引用の際はご一報ください。

米国第40代大統領ロナルド・レーガンは就任直後の1981年3月30日、ワシントンDCのホテルで至近距離から銃撃され胸部に弾丸を受けて重傷を負ったが一命をとりとめた。

ロナルド・レーガンの出生証明書に出生時刻は記載されていない。 推定された出生時刻でもっともよく知られているのはナンシー・レーガンの顧問占星術師だったジョーン・キグリーが「早朝に生まれた」という複数の親戚の証言から『綿密にレクティファイした』という午前3時43分(*)で、この他にもレーガンの死後にさまざまなデータがでてきた。 その中でレーガン夫妻の娘パティ・デイビスが述べた午前4時16分が信憑性が高いと思える。 これらを元にアングルを修正したところ、アセンダントはいて25度となった。

レーガン 出生
レーガン 出生

木星はアセンダントと第12ハウスのルーラーであり、ズベンエルゲヌビのすぐそばにある。 ズベンエルゲヌビは現在ではてんびん座のα星「サウススケール」だが、古代ギリシアや中世アラビアではさそり座のγ星「南の爪」であった。 危難や背信を意味する恒星で、『大鏡』に安倍晴明が天変を観測して花山天皇の退位を読みとったとあるのは、陰陽道では氐(てい)と呼ばれるズベンエルゲヌビと木星の星犯のことだと言われている。

この木星は第8ハウスルーラー月とオポジション。 木星がバイオレントサインにあるので危険に見えるかもしれないが、月の状態がたいへん良いのと、ペリグリンでドラゴンテールとコンジャンクションとはいえ、まかりなりにもベネフィックであるため、危難に遭ったものの最悪の事態は回避できた。 もし生まれた時間がもう少し後で、第8ハウスルーラーが太陽になっていたら、太陽はディトリメントでバイオレントサインにあり、第8ハウスカスプにオポジション、アセンダントルーラー木星とスクエアとなるので助からなかっただろう。

レーガン 1981年ソーラーリターン/ワシントンDC
レーガン 1981年ソーラーリターン/ワシントンDC

該当年のソーラーリターンでは、アセンダントルーラー土星が第12ハウスルーラー木星とコンジャンクト。 ここにはビンデミアトリクス(ぶどうを収穫する者)がある。 不名誉やスキャンダルを意味する恒星なので危難とは関係ないように思えるが、この星はギリシア神話に登場するアムペロスである。 アムペロスのお話にはいくつかバリエーションがあり、野牛の角に突き刺されたり、ぶどうを採ろうとして楡の木から転落して死んだと伝えられている。(*2) その木星・土星に対して第8ハウスルーラー太陽がトラインとなっている。 すべてがバイオレントサインにあるため、危険な状況は避けられない。

内側:レーガン出生、外側:1981年ソーラーリターン
内側:レーガン出生、外側:1981年ソーラーリターン

これまで見てきたリンカーン、ガーフィールド、マッキンリー、ケネディ、ハーディングは、ソーラーリターン中のマレフィックな惑星や恒星から出生のアセンダント、ハイレグ、第8ハウス、第10ハウス、第12ハウス関連がアフリクトされていたのだが、レーガンの場合はそれがない。 ソーラーリターンの海王星が出生のアセンダント上に来て、水星が第10ハウスルーラー金星にコンジャンクトしている程度である。

このソーラーリターンの水星はフォーマルハウト(うお3度35分)の上にある。 フォーマルハウトの影響は他の恒星より穏やかで、水星とのコンジャンクトで不注意な言動、家庭問題が起きる程度である。 一般に名誉を意味するので、出生の第10ハウスルーラーにその影響がおよぶのは悪いことではない。

出生に決定的な表示がなかったこと、ソーラーリターンと出生の間に強いクロスアスペクトがなかったことが危機を乗り越えた原因だろう。 幸運である。

2010年11月

* この時間ではセカンダリープログレッション、プライマリーディレクション、トランジットどれを見ても大統領就任の時期が整合しない。 キグリー女史が顧問となったのはレーガンが大統領に就任した後なので、世界的に著名な占星術師がどういう技法で、何を根拠にレクティファイしたのか興味深い。
『綿密にレクティファイした』というくだりは What Does Joan Say?: My Seven Years As White House Astrologer to Nancy and Ronald Reagan (Birch Lane Press 1990) p.50。

*2  Robin Hard “The Routledge Handbook of Greek Mythology” Routledge 2008

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