ジョン・F・ケネディ Jr.(4)
國分秀星 Q.H.P.

『ジョン・F・ケネディ Jr.(1)』『ジョン・F・ケネディ Jr.(2)』『ジョン・F・ケネディ Jr.(3)』 の続きです。 著作権はフォル事務所にありますので、転載・引用の際はご一報ください。

『ジョン・F・ケネディ Jr.(3)』 でパイパー・サラトガⅡがエセックス・カウンティ空港を出発した時の天体配置に対する日蝕の影響を見たが、以前検討した日航や全日空の事故と比べると、日蝕そのものが出発時の天体に関わっていないという点において表示が弱い。 ケネディJrの出生に日蝕はどう影響しているだろうか。

内側から、ケネディJr出生、1997年9月日蝕、1998年2月日蝕
内側から、ケネディJr出生、1997年9月日蝕、1998年2月日蝕

1997年9月と1998年2月の日蝕は離陸時の天体とアングルにはまったく関わりがないのだが、ケネディJr出生のアセンダントに対して、それぞれコンジャンクション、オポジションになっており、事故の2年前から危難が芽生えていたことになる。

大統領だった父親がヘリコプターで送迎されるのを見て育ったケネディJrはパイロットにあこがれていたという。 しかし、1994年に母親が死去するまでは、その強い反対により航空機の操縦を諦めていた。 1997年12月からフロリダのフライトスクールに通いだし、翌年4月に自家用パイロット免許を取得したのは、このふたつの日蝕の影響と考えて差し支えないだろう。

内側から、ケネディJr出生、1998年8月日蝕、1999年2月日蝕
内側から、ケネディJr出生、1998年8月日蝕、1999年2月日蝕

1998年8月と1999年2月の日蝕はそれぞれケネディJr出生の月に対して、それぞれオポジション、コンジャンクション。 一連の航空機事故で見てきたように、月は移動や旅を表すから、それが日蝕にアフリクトされるときは注意が必要だろう。 とくにケネディJrの場合は月がそもそも天王星とオポジションなので危険が増す。 1999年2月の日蝕はその天王星にオポジション。 ケネディJr出生のアセンダントルーラー水星に対して1998年8月日蝕の水星がスクエア、1999年2月日蝕の天王星がスクエアとなり、無事には済まないことがわかる。

これらの日蝕はキャロリン・ベセットの出生にはどう影響しただろうか。

内側から、キャロリン・ベセット出生、1997年9月日蝕、1998年2月日蝕
内側から、キャロリン・ベセット出生、1997年9月日蝕、1998年2月日蝕

キャロリン・ベセット出生の第1ハウスにある火星と金星は、『ジョン・F・ケネディ Jr.(2)』で述べたように、それぞれ第9ハウスと第3ハウスのルーラーであり、旅行や乗り物を表している。 バイオレントサイン中にあるため、火星・金星がアフリクトされると時期は危険なのだが、1997年9月の日蝕の火星がそれらに対してスクエアとなっている。 また土星はキャロリン・ベセット出生の第7ハウスルーラー太陽にスクエアで配偶者の危難を表示している。

1998年2月の日蝕でも土星がキャロリン・ベセットの太陽にスクエアで、日蝕の水星がキャロリン・ベセットのアセンダントルーラー土星とコンジャンクト。 水星はキャロリン・ベセットの出生では第8ハウスルーラーなので厳しい。 さらに日蝕の天王星がキャロリン・ベセットの火星にコンジャンクトで、乗り物の事故が表示されている。

内側から、キャロリン・ベセット出生、1998年8月日蝕、1999年2月日蝕
内側から、キャロリン・ベセット出生、1998年8月日蝕、1999年2月日蝕

1998年8月の日蝕でも天王星がキャロリン・ベセットの火星にコンジャンクトで、さらに土星が出生の第3ハウスカスプの上に来て、さらに出生のアセンダントにスクエア。 1999年2月の日蝕では火星が出生のアセンダントにスクエア、天王星が出生の火星と金星にコンジャンクトになった。

キャロリン・ベセットは当初このフライトに同乗するつもりはなかったという。 これは夫婦仲が良好ではなかったためで、それを危惧したケネディJrの秘書の薦めにより、従兄弟の結婚式に出席するケネディJrに同行した。 キャロリン・ベセットの出生も4つの日蝕に影響を受けたが、ケネディJrとは異なって、日蝕そのものからのアフリクトがないのはそうした事情によるものだろう。

つづく

2012年7月