全日空60便・533便(4)

國分秀星 Q.H.P.


『全日空60便・533便』『全日空60便・533便(2)』『全日空60便・533便(3)』の続きです。 著作権はフォル事務所にありますので、転載・引用の際はご一報ください。

鹿児島空港での事故に続き、11月13日、大阪発松山行き全日空533便(オリンピア号)が松山空港への着陸の際、着陸復航しようとして瀬戸内海に墜落、乗客乗員50名全員が死亡した。 533便にはフライトレコーダーは搭載されておらず、墜落した機体は総重量の95パーセントが海から引き上げられたものの、墜落原因は解明されなかった。

事故の前日に皆既日食が起きている。
日蝕(1966/11/12)
日蝕(1966/11/12)

この日蝕はエルシェマリ(さそり18度54分)のすぐ近くで起きた。 この恒星のネガティブな影響に触れられることは少ないが、エルシェマリとは「サソリのハサミ」であり、太陽、とくに新月・日蝕とのコンジャンクトによって不測の事態を引き起こす。 また蝕に巻き込まれている金星は全日空業務開始時の第8ハウスルーラーである。

日蝕が起きたサインがさそりで海王星を巻き込んでいることから海難事故ともとれる。 しかし、533便は海に墜落したので、この表示は妥当だし、この蝕が全日空業務開始時の月(おうし20度48分)にオポジションなので全日空機の事故を示している。(*1)

エルシェマリと皆既蝕によりマレフィックな性質を帯びた太陽は翌日の533便出発時にさそり20度35分まで来て、業務開始時の月にさらに近づいた。
533便出発
533便出発

このチャートで一番目につくのはアンギュラーハウス中の火星・土星のオポジションだ。 しかも土星の位置にはペガスス座のα星マルカブがある。 マルカブは翼の生えた馬(ペガサス)の鞍で、乗り物や交通機関を意味する。 ここに逆行する土星があって火星とオポジション、さらに土星がアセンダントにスクエアであるのは航空機にとって厳しい表示だろう。 それに加えて、月は事故や遭難を表すドシュッバとコンジャンクト、水星はサインの終わりで逆行している。

533便はオーバーランの可能性があったため接地直前に着陸復航したのだが、エンジン出力をあげるのが遅れ、滑走路を170メートルほど滑走してから再上昇した。 しかし本当に着陸復航が必要だったかどうかはきわどいところで、滑走路終端で停止させることは決して不可能ではなかった。(*2)  これはアセンダントルーラー水星とリゲルケンタウルス(猜疑による優柔不断)のコンジャンクションに示されている。

航空機事故で乗員が全員死亡した場合、八方丸くおさめるために事故原因を操縦ミスに求める傾向があるので心苦しいのだが、533便の場合、出発時のアセンダントにスクエアをなす土星が第10ハウスにあって逆行、マルカブとコンジャンクトしていることから考えると操縦に問題があったと思われる。

533便のフライトに影響したルネーションは1965年11月と1966年5月の皆既日蝕で、前者は鹿児島空港でのオーバーランと533便の墜落事故の両方に関係したことになる。
内側から533便出発、日蝕(1965/11/23)、日蝕(1966/5/20)
内側から533便出発、日蝕(1965/11/23)、日蝕(1966/5/20)

1965年11月の日蝕は533便出発時の月・水星とコンジャンクト、1966年5月の日蝕は533便出発時の水星とオポジション、日蝕の土星が出発時のアセンダントにスクエア。 533便出発時はアセンダントがふたごなので、そのルーラー水星は旅のナチュラルルーラーであると同時に533便の機体を表す。 それが2つの日蝕からアフリクトされるのはきわめて危険である。

また、1965年11月の日蝕は『全日空60便・533便』で述べたように岡崎社長の木星・土星のスクエアを刺激した。 さらに1966年5月の日蝕も同様である。 533便の事故当日、岡崎氏は全日空の業務と無関係な貿易交渉で中国を訪れていたため、岡崎氏の行動を快く思わない人たちにとっては格好の攻撃材料となり、岡崎氏が社長から相談役へ退く直接の引き金となった。

しかしながら岡崎氏の出生図には死後に名を残すような社会的大事業を成し遂げることが表示されている。 一企業の社長には収まりきらない大人物の岡崎氏は、全日空という足かせがなくなり、この後、日中国交回復の立役者となった。

つづく

2008年2月

*1 11月13日早朝、日本の貨物船が済州島沖で沈没しているのだが、貨物船で一般乗客はなく、乗員全員が救出されたので全日空機の事故よりも報道価値が低く、出港地や出発時刻などは不明で、このルナマップと関連があるのかどうかはわからない。
*2 大内建二 『日本の航空機事故90年』 成山堂書店 2003

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