全日空60便・533便(2)

國分秀星 Q.H.P.


『全日空60便・533便』の続きです。 著作権はフォル事務所にありますので、転載・引用の際はご一報ください。

個別の事故について見てみる。 2月4日、札幌発東京行き全日空60便は羽田空港のC滑走路へ降下進入中に東京湾に墜落し、乗客乗員133名全員が死亡した。 その直前のルネーションは1月22日の新月である。
直前の新月(1966/1/22)
直前の新月(1966/1/22)

マレフィックからのアフリクトはないが、新月はアルタイル(飛翔する鷲)の真上で起きている。 アルタイルが及ぼす影響の良し悪しはコンジャンクトする惑星の性質と状態によって変わり、この場合は突発的で予想のできないことを引き起こす。 月が第9ハウスルーラーで、新月が第3ハウス中にあって水星を巻き込んでいることを考えれば、航空機事故とみていいだろう。 このルナマップの土星は全日空業務開始時の水星(うお14度22分)の位置にあるので、全日空機が危険だとわかる。

ところが当時日本航空史上最悪(単独機の事故としては世界最悪)の事故にもかかわらず、60便の出発時に危険な表示は見られない。
全日空60便出発
全日空60便出発

月はサインの終わり近くにあるが金星のオーブに入っているのでボイドではない。 水星もコンバストであるものの、逆行はしていないし、そもそも太陽はアセンダントルーラーである。 マレフィックとのアスペクトもないし、危険な恒星とも関わりがない。 『全日空60便・533便』で検討したルナマップからもアフリクトされていない。

60便の出発に影響しそうな天変を探してみると、1962年2月と1963年7月の日食が該当した。 これはどちらも皆既蝕であり、5年以上も影響をおよぼす。 至近のルナマップからアフリクトされず、それよりもさらに前の日蝕によって事故が起きたという点で、60便出発時のチャートは興味深い例だろう。
内側から60便出発、日蝕(1962/2/5)、日蝕(1963/7/21)
内側から60便出発、日蝕(1962/2/5)、日蝕(1963/7/21)

1962年2月の日蝕は60便出発時のアセンダントルーラー太陽の上で起こった。 この太陽の位置は全日空業務開始時のアセンダントルーラー木星のコントラアンティションである。 それにしても、太陽・月、水星、金星、火星、木星、土星がみずがめに集合する日蝕というのは強烈だ。 第3ハウスルーラー水星が逆行で日蝕のすぐ側にあるから、このルナマップ自体が航空機事故を表示している。 また、1963年7月の日食は60便出発時の月の位置にある。 こちらの日蝕でも水星は第3ハウスルーラーだった。

60便にはフライトレコーダ、ボイスレコーダが搭載されていなかったため、墜落原因は推測の域を出ない。 事故調査報告書では操縦ミスを示唆しつつも原因不明という結論を出しているが、エンジン火災やグラウンドスポイラー(着陸滑走中に使用されるエアブレーキ)の故障による失速、後退翼の設計ミスも指摘されている。(*)

60便出発時のアセンダントがししで、火星がそれに対してオポジションだから、火災はじゅうぶんにあり得る。 しかしアセンダントも火星も蝕や直前の新月と関わりがないので、火災が墜落の直接原因ではないと思う。 また、アセンダントルーラー太陽がペリグリンであることは設計ミスととれるが、太陽と木星がかろうじてタームとフェースによるミューチュアルリセプションなので、これも決定的な原因というわけではないだろう。

第10ハウス(機長)のルーラー金星が逆行で直前の新月とアルタイルのすぐ近くにあること、海王星がMCにオポジションであること、1月22日のルナマップ中の天王星と冥王星が全日空業務開始時のMCにスクエアであることを考えれば、操縦ミスあるいは判断ミスが主たる原因だと思われる。

つづく

2007年11月

* 山名正夫 『最後の30秒』 朝日新聞社 1972

関連アーティクル

  • 『全日空60便・533便』
  • 『日本航空123便』
  • 『日本航空123便(2)』
  • 『日本航空123便(3)』

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