未来予知(2)

國分秀星 Q.H.P.

以前書いた『未来予知』において時期の精度に関する問題が保留になったままだった。 結論から先に言ってしまうと、どの技法も多かれ少なかれ誤差があるので、たとえチャートを作るための日時と地理的な緯度・経度が正確なものであったとしても、複数の技法を併用しない限り、時期を正確に予測することはできない。 前回、一度一年法が時期的な精度の面で優れていることを書いたが、これにしても単独ではどうしても誤差が出てしまう。

そこで、それを補正するためにソーラーアークやセカンダリープログレッション、トランジット、各種リターンを併用するべきだろう。 重大なイベントほど複数の技法によって表示され、それらが重なる時期に起きるからである。 (もっとも、セカンダリープログレッションだけでも正確にイベントの時期が表示されることがたまにあるのだが。)

過去に起こったイベントから日時をレクティファイする場合も、やはり複数の技法を併用しなければ精度があがらない。 ひとつ例をお見せしよう。

北朝鮮の弾道ミサイル試射に関するアーティクルを書こうとしてチャートのデータを集めていたところ、北朝鮮建国の時間だけはどうしてもわからなかった。 "The Book of World Horoscopes"を書いたニック・カンピオンが最新の情報を知っている可能性があるので聞いてみたのだが、残念ながらわからないとの回答。 図書館で二日かけて当時の新聞、マイクロフィルム、北朝鮮と朝鮮半島関係の本をすべて調べたたがだめ。 朝鮮新報などの報道機関に問い合わせても時間まではわからないと言う。

結局、レクティファイするしかないと決断するまで1ヶ月以上調べ続けたのだが、いろいろな本を調べている際に重要事項をついでにメモしておいたため、簡単に時間を絞り込むことができ、レクティファイは30分ほどであっけなく終わった。 確認のために使ったイベントの数も多いし、一年一度法、ソーラーアーク、セカンダリープログレッション/リグレッション、トランジット、ソーラーリターン、ルナリターンを併用したので、どうずれても数十秒以内の誤差だろう。

そこで、私がレクティファイした北朝鮮建国の日時をルーメン・コーレブに教えて、金日成の死亡年月日(1994年7月8日)をプライマリー・ディレクションで計算してもらった。 (近頃、彼の書いたプライマリーディレクションの本が翻訳されて、原書房あたりで売られているから、知っている人も多いだろう。) 彼は見ず知らずの私の要請に対して誠実に対応してくれた。

コーレブよると、ナイボッドのキーで11月25日、プトレマイオスのキーでは3月28日になるので、私が推定した時刻は2分以内の誤差のはずだと言う。 (2分どころか、私は最大で45秒の誤差だという自信がある。) 複数のキーを使っても、プライマリーディレクションだけではこれだけの誤差が出るのだ。

カルダンのキーならもう少し近い日になるだろうが、それにしても誤差はあるのだから、プライマリーディレクション単独、とくにひとつのキーだけではレクティファイも精度が出ないのは明白である。

伝統的な技法を再現しようとするコーレブの姿勢は高く評価されるべきである。 しかしプライマリーディレクション、とくにプラシーダスのキーは計算コストが高い。 であるならば、はるかに計算の簡単な技法を複数使うのが現実的だろう。 コーレブが作ったソフトの値段がもっと安くなればプライマリーディレクションを併用するだろうだが、今のところ私はレクティファイ機能付きの Quick*Chartに満足しているのである。

1998年12月
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