米国第16代大統領リンカーン暗殺についての考察です。 著作権はフォル事務所にありますので、転載・引用の際はご一報ください。
「暗殺は一つの政治的表現の手段であり、はたまたアメリカ合衆国の文化でもある」(*1)
問題を手っ取り早く解決しようとするのはアメリカ人の気質であり、ゆえに非合法であろうと非人道的であろうと手段を選ばない。 政変は、通常の民主国家であれば選挙の結果として生ずる。 南米などでは選挙を待たずにクーデターによって意図的におこなわれ、米国ではそれよりもさらに手っ取り早い暗殺によって大統領が替わる。 実際に暗殺されたのは4人だが、未遂や暗殺の疑惑があるものを含めれば19件もあり、米国大統領は死と隣り合わせの危険な職業と言える。
暗殺は、ネイタル占星術では変死、マンデン占星術では国家要人の死であり、第8ハウス(死)に第12ハウス(隠れた敵)や水星(策略)が関係することによって起きる。 それを踏まえて米国大統領暗殺について考えてみよう。
米国第16代大統領エイブラハム・リンカーンは1865年4月14日、ワシントンDCの劇場で頭部に銃弾を撃ち込まれて暗殺された。
リンカーン 出生 (*2)
リンカーンの出生において、第8ハウスルーラー金星はバイオレントサインにあり、暴力による不運をもたらすアルゲニブとコンジャンクト、第8ハウスカスプにオポジション。 第8ハウスには火星(バイオレントサイン)があり、平穏な死を迎えるとはとうてい思えない。 さらにこの火星に対して第12ハウス中の月(これもバイオレントサイン)がスクエア、第12ハウスルーラー土星が金星とアスペクトをもっているので、暗殺の可能性が高い。
暗殺当時、この第12ハウスの月はディレクションによって第12ハウスルーラー土星の位置まで来ていた。
リンカーン 1865年ソーラーリターン/ワシントンDC
暗殺直前のソーラーリターンは、てんびん上昇のため、アセンダントと第8ハウスのルーラーが一致し、その金星はアセンダントに対してオポジションである。 これを第8ハウスルーラーとして見れば単に死を意味するだけだが、アセンダントルーラーとして見れば変死である。
第10ハウスルーラー月は火星からアフリクトされ、月は出生のMCにスクエア、火星はオポジションとなっていた。 死によって大統領の地位を失ったわけだが、暗殺を抜きにしても、これでは地位からの転落は免れない。
内側:リンカーン出生、外側:1865年ソーラーリターン
リンカーン個人について大まかに見たところで、次はマンデンマップを検討する。
つづく
2009年6月
*1 柘植久慶 『オバマ暗殺』 角川春樹事務所 2009
*2 レクティファイしていないが、実際にはもう少し早い時間だと思われる。