ホラリー占例:希望の価格で家を売れるか?

國分秀星 Q.H.P.


これは Considerations (Vol.XIII, No.4, 1998)で発表した“Four Horary Examples”というアーティクルの一部を翻訳したものです。 著作権はフォル事務所にありますので、転載・引用の際はご一報ください。

クエレントは年輩の女性で、鑑定を依頼する手紙が2人の人の手を経て私に届いた。 「自宅を希望の価格で売ることができるか?買い手はどんな人か?」 私はその手紙を読んで質問を理解したタイミングでチャートを作った。

Chart: 05 Nov. 1993, 09:01 p.m. JST, 139E46 35N44.
05 Nov. 1993, 09:01 p.m. JST, 139E46 35N44.

クエレント夫妻は事情により自宅をできるだけ速やかに売却する必要に迫られていた。 手紙には売却希望価格などの詳細がまったく書かれていなかったので、売買物件を象徴する第4ハウスに注目した。

第4ハウスのルーラー金星が第9ハウスルーラー木星と共に第4ハウスてんびんにあることから、クエレントの家はまだきれいで神社仏閣が近所にあるだろうと考えた。 また、金星はカーディナルサインにあるので、場所は新興住宅地だろう。 (手渡しの手紙なので住所も書かれていなかったのである。) 価格を表す第10ハウスのルーラー火星はもうひとつの自身のサインさそりにあり、クエレントが希望する価格は高いことがわかる。

クエレントの家を象徴する金星が買い手を表す第7ハウスのルーラー土星とトラインなので、その家に興味を持った人がいたはずだと私は考えた。 土星とみずがめの性質を考え併せて、その人は平均より身長が低く、黒く薄い髪、広い額、日焼けした顔色であると推測した。 だが、火星(価格)と土星(買い手)がスクエアで分離しているので、この人はクエレントの希望する価格には同意できなかったのだろう。 月と土星はアスペクトを形成していないが、それぞれが冥王星に対してトラインとスクエアで接近しているので(コレクション・オブ・ライト)、冥王星は不動産仲介業者を表しているようである。

いずれにしても、クエレントのシグニフィケーター月は、クエレントの希望を表す第11ハウスのルーラーでもある金星に対してスクエアなので、すぐに家を売りたいのなら価格を下げる必要があると私は判断した。 さもなければ家を売るのに長い時間がかかるだろう。 私はそのようにクエレントに返事を書いた。

クエレントから返事は来なかったが、間接的に聞いたところによると、価格を下げて家を売却し、新しい家を購入して娘夫婦や孫と一緒に暮らし始めたそうである。 クエレントの家を買ったのは土星が象徴する人物だと私は推定する。


付記
冥王星は惑星から降格されて、今では134340という小惑星番号をつけられてしまいました。 エッセンシャルディグニティをもたないトランスサタニアンをルーラーとしてサインに割り振ることはできませんが、この例のようにコレクション・オブ・ライトのコレクターとしては惑星と同等の効力をもっています。
ウィリアム・リリーを盲信する人たちの中には、リリーが使っていなかったからという理由でトランスサタニアンをまったく考慮しない人がいます。 しかし、17世紀にはトランスサタニアンの存在はまだ知られていなかったのですから、存在を知っている現代人が使わないというのとは訳が違います。
トランスサタニアンは公転周期が長く、動きが遅いため、チャートの基準となった日時からある程度の年月が経過しないと、チャートの中で目に見える効果を発揮しません。 したがって、ネイタルよりも短い期間を扱うホラリーでは影響を認識しづらいのですが、潜在的な力は期間の長短に関係なく最初からあります。 初めのうちは効果が見えにくいというだけのことです。
ホラリーチャートの中にもトランスサタニアン無しでは解釈しきれないものや、トランスサタニアンを見ることで簡単に解釈できるものが少なからずあります。 そういう有益な判断材料を放棄して自ら視野を狭くすることはないと思うのですが…。

2007年7月

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