これは Astrology Quarterly (Vol.67/4, Autumn 1997)で発表したIs he my marriage partner?というアーティクルを翻訳し、編集時の間違いを訂正した上で加筆したものです。 著作権はフォル事務所にありますので、転載・引用の際はご一報ください。
「今つき合っている彼と結婚できるか?」
クエレントは質問の数ヶ月前に現在の交際相手と知り合い、電撃的に恋に落ちた。 初めは情熱的であったのが、次第に会う機会も減っていき、鑑定の2~3週間前からは音信不通になっていた。 もし結婚するような縁でないのなら諦めるから見て欲しいという依頼だった。
05 July 1993, 12:52 a.m. JST, 139E46 35N44.
クエレントを表すアセンダントルーラー金星がおうしにあり、一見クエレントを取り巻く状況は悪くないように見える。 しかし、自サインにいるときの天体はそのサインの良い部分も悪い部分も強調するため、この場合は物事の表面に気を取られて本質を見抜けないという、恋愛において好ましくない部分が強調されていると私は思った。 交際相手を表す第7ハウスのルーラー火星が第5ハウスにあり、なおかつペリグリンなので、相手は最初から真剣に交際するつもりがなかったようだからである。
月が天王星との正確なコンジャンクションから分離し始めているので、関係は事実上終わってしまっていることがわかる。 月は男性のナチュラルルーラーである太陽(これもペリグリンで第5ハウスのルーラー)とのオポジションからも分離してるから、一時的な関係だったのだろう。
クエレントの結婚に対する希望は、クエレントのシグニフィケーター金星が第11ハウス(希望)のルーラー土星に接近していることから実現しそうに見える。 しかし、金星が土星と正確なアスペクトを形成する前に、天王星の影響を帯びた月が金星とトラインになってしまうので実現しないだろう。 さらにその後、金星はアルシオーネ(おうし24゚54'04")とコンジャンクションになってしまう。 アルシオーネは涙を意味する恒星である。
ネガティブな占断をクエレントに伝えるのはつらいものだが、この場合はクエレントの希望が叶わないことは明らかだった。
付記
このアーティクルは私の知らない間にオリビア・バークレイが Astrology Quarterly へ送っていて、後になってからそれを知らさせたという経緯があります。
シンプルなチャートなので、1998年に朝日カルチャーセンターで講演したときにも使いました。
あのときは鏡リュウジさんにOHPのスライドを交換してもらったり、スクリーンに映ったチャートを指し示してもらったりと、こき使ってしまいました。
アーティクルを翻訳したものの、細かい根拠や用語は説明していませんから、もしわからないようならオリビア・バークレイのHorary Astrology Rediscoveredを読んでください。
占星術の入門書というわけではないので取っつきにくく理解しづらいと感じる人もいるでしょうが、20世紀以降に書かれた占星術の本の中では最高です。
経験を重ねた人でないと書けないような言葉が随所にあって、基本的な技術の説明よりも、そういう言葉の方が貴重です。
重要なことをさらりと短く表現する著者の癖を知らないと、この本の真価はわからないかもしれません。
オリビア・バークレイの書く英語は日本人が習う英語(米語)の文法とは少し違います。
私も手紙をもらって、知らない単語はひとつもないのに言っていることがわからなかったり、文脈からどちらともとれる表現があったりして、メールで別のイギリス人に意味を教えてもらうということが何度かありました。
言っていることは明快なのに理解しづらいのはそういう点にあります。
2007年7月