テレフォン占いの実態

現役の占い師の方からたいへん興味深いメールをいただきました。 私一人で読むのはもったいないので、ここでご紹介します。 なお、個人や企業を特定できる箇所は伏せ字にしてあります。


私が占星術でお金をいただけるようになったのは、趣味でやっていた占星術で周りの人を見てあげたらお金をもらえたのと、それがきっかけで自信がついて、雑誌「*****」などで紹介されているテレホン占いの占い事務所の審査とオーデイションを受けたところ、合格したためです。それまで、占い師という職業の人達は特殊な霊感や普通の人とは違った神秘的な何かを持っていなければなれないと思っていました。ですから私なんかとてもなれない職業だと思っていました。しかし実際、私のようなものがなれてしまうのだから、占い師の世界もずいぶんいいかげんなんだなあ、ということに気付きました。

会社の審査は、履歴書と自分ができる占いのジャンルと自己紹介、それを郵送したところ会社から電話がかかってきてオーデイションを受けるように言われました。オーデイションは**にて、*****の今年の運勢をみる、というものでしたが、そのひとのネイタルチャートと今年の春分図を比較して、いいところと注意すべき点を申し上げたところ、結果は「合格」でした。

その後、ほとんど毎日仕事を入れている訳ですが、お客さんから電話がかかって来ない日はないぐらいの繁盛ぶりで、またまた驚きました。テレホン占いの西洋占星術の占い師の方に、何度か見てもらってみたところ、ホロスコープも作らずに暦だけ見て判断する人や、太陽星座だけで判断する人、惑星の位置に関してもずいぶんずぼらで角度を全然考慮に入れない人など、結構いいかげんな見方をしている人が多かったのであきれてしまいました。図々しいかもしれませんが、正直いって「私でも占い師になれてしまうわけだわ」と思いました。

そして、しばらく経って会社から「○○さんは優秀なので、ぜひ*****にて紹介したい」という申出がありました。なりたてほやほやの新米占い師のどこが優秀なのかということが、私には不思議でたまりませんでした。よく考えて見ると、それは「通話時間の長さ」でした。会社から月1で送られてくる給与明細のなかに、そこに所属する占い師の鑑定時間の平均と、それと比較した私の鑑定時間の平均がかかれています。「なるべく長めに鑑定するように」との、暗黙のプレッシャーでした。

私は通常でも、押し売りのような人につかまったりする傾向があるタイプの人間なせいか、悩んでいる人のはなしってついつい聞いてしまうんです。そして、占い師になったばかりだったこともあって、話しをどこで切るかの見極めができてなかったのも理由だと思います。そんなわけで、一つの相談に対して1時間近く対応していた私は、平均鑑定時間約30分の会社全体からみれば、確かに「優秀」なことにちがいはありません。

でもそれが、占い師としての実力かというとそうではなくて、単にそれは「会社にとって都合のいい占い師」に過ぎません。それに、こういう商売をして儲けている会社にいつまでもいたいとは思わないので、本当の実力を身につけるためにどうしたらよいか考えました。そして、國分先生の古典占星術に出会いました。國分先生のおっしゃるとおり安易に「プロ」と称せる現状にはかなり問題があると思います。安易にプロになってしまったとはいえ、好きな占星術でお金をもらえるからには、私なりにその責任を果たしていかなくては、と思っています。その責任の果たし方として、「当たる占星術師」になりたいと思っています。


[解説]  國分秀星 Q.H.P.

残念ながら、現状はこんなもんでしょう。他にもいくつかのテレフォン占いの内情を知っていますが、似たり寄ったりで、所属する占い師の質は非常に低いです。占い喫茶や占いハウスも同様で、そこいらの本屋で売っている本を読んで、趣味でやっているうちになんとなく「プロ」になったというケースがほとんどです。このようにいい加減な「プロ」がはびこる原因は、この方もおっしゃっているように、占い会社・占いハウスなどの無知で無責任な経営姿勢にあります。利潤を追求するあまり、占いの本質がないがしろにされているわけですね。

そうした占い会社に所属している占い師たちも、ろくに勉強していないので、依頼者の質問に満足に答えられず、次第に占いの本質とはかけ離れたことで体裁を取り繕うようになっていきます。ヒーリング、カウンセリング、心理学など、どれも占い師として求められるものとかけ離れたものに自分の足りないものを求めていくわけです。本職の(有資格の)ヒーラー、カウンセラー、セラピストが効率よくセッションを行うために占星術を使うならいいのですが、そうではなく、「占い師」を称している人間がそれをやるのはおかしいと言わざるを得ません。

でも、この方のようにそうした矛盾に気づく人がいたのはうれしいことです。 占いとは何か、占い師はどうあるべきか、ぜひみなさんにも考えていただきたいと思います。

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